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幾原邦彦作品等について語るブログ

ノケモノと花嫁に登場する実在の曲リスト

漫画を読む時のBGMは物語の世界に入り込むための大事な要素です。

しかしノケモノと花嫁はまだアニメ化はされてないので、ピングドラムやウテナのようなサウンドトラックはありません。シェルブリットのようなイメージアルバムもリリースされていません。

 

ですが、よく考えてみるとノケモノと花嫁には、沢山の曲名や歌詞が作品の中に登場することに気づきました。

T-Rex 「 Get It On」のように曲名の紹介だけに終わる場合もあれば、物語の中で日本語の歌詞が表示されて一種の挿入歌のように機能しているような場合もあります。

これらは良いBGMになりそうです。ということで、3巻までに登場した実在の曲をリストにまとめてみました。

 

1.The Moldy Peaches 「 NYC's Like a Graveyard」(1巻P106)

ラジオ番組でDJのジャッキー・ケリー・ザ・バットが語る「ザ・モルディピーチズ『ニューヨークはでかい墓・・・』」 の元曲。The Moldy PeachesはNY出身のバンドで、アンチ・フォーク・シーンの提唱者だということです。アルバム「The Moldy Peaches(2001)」収録。

http://www.youtube.com/watch?v=Q9lRSp75gtY

 
2.T-Rex 「 Get It On」
マーク・ボランをリーダーとするグラムロックの帝王T-Rexの代表曲。アルバム「Electric Warrior(1971)」収録。
3. 井上大輔「哀・戦士」
映画「機動戦士ガンダムII 哀・戦士編(1981)」の挿入歌。作中でギン様は井上大輔御大じゃないなんとかアニメまつりのテープに入ってるパチソンをご所望とのこと。
 
4.The Size Of YouSPOOKEY RUBEN(1巻P110)
SPOOKEY RUBENはカナダ出身のミュージシャンであり映像作家。「These days are old」でよく知られている。「The Size Of You」の映像はYoutubeには動画がありませんでしたが、ノケモノの作中で「トゥルルッピヤイヤイヨー♪」と歌われる「These days are old」はありました。
 
5.Brendan Benson「Cherries」(1巻P150)
イタルとまろにえの2人がイタルの車でアイズバイン社の廃工場へ向かうシーンで流れる曲。作中では日本語歌詞がまるでBGMのように登場しています。ちょっと気になったので元の歌詞を読んでみると、どうやら次のような内容のようです。
 
彼女を車に乗せて自分の実家に向かう青年。初対面の彼女と自分の父と母がうまくいくかを案じている。なぜなら彼女は顔にシルバーアクセをしてて、どういう人かわかってもらうのがむずかしい人だから。彼女は両親に対して感じ良く微笑むかもしれないし、もしかしたら態度わるく唾を吐いたりするかもしれない。でも彼女を車にのせて一緒に行きたい・・・という話。
 
なぜまろにえとイタルのドライブでこの曲なのか、二人の関係には何かががあるのかと気になってしまうところですね。
 
6.ちあきなおみ「星影の小径」(3巻P57)
アルバム「港の見える丘(1985)」収録。小畑実の1950年の発表作のカバー。
 
7.Jack Johnson「Relate to me」(3巻P95)
ハワイ出身のJack Johnsonの曲だと思われるのですが詳細は不明です。
 
8.The Moldy PeachesNothing Came Out(3巻P127)
アルバム「Moldy Peaches 2000: Fer the Kids/ Live 1999」収録。
 
こうして並べてみると、70年~00年代までの洋楽ロックが多い気がしますが、こだわりなくチョイスされてるようにも思います。物語と曲がシンクロしてるのかどうかもわかりません。架空の曲ではなく実在するミュージシャンのものが登場するのは、作品世界が現実世界と繋がっていることを示唆してるのかもしれませんが、考えすぎな気もします。芸能人ネタ等と同じく、明日美子先生と幾原監督の作品の欄外での読者との対話なのかもしれませんね。