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幾原邦彦作品等について語るブログ

【KERA11月号ノケモノの花嫁 】回想編終了?今後の展開は?

KERA11月号の感想

ネタバレ満載なので未読のかたは注意してください。

 

 

 

 

 

 

 

 

兎河ギンと麒麟塚イタルの過去物語に区切りが着きました。

ニュース報道によると、ギンと母親の死亡は母親による無理心中事件として処理されるようです。

母親がギンを殺害した後に自殺したというのが警察の見解のようですが、前回の殺害シーンを見ると、斧が降り降ろされた瞬間にギンの背中から羽が生えて母親を殺害したようにも見えます。

ギンは母親の暴力に耐え続けていたわけですが、最後の瞬間に麒麟塚イタルの「大人を殺せ」という声に応えて、母親に叛逆したのかもしれません。

いずれにしても彼は車椅子に乗って、アリスを背後に従えた燃えるキリンのリーダーとして登場しました。

今後の展開はどうなるのでしょう。

過去回想編がまだ続くのか、それとも現在の時間軸に話がもどるのか。回想が続くとしたら、燃えるキリンを設立する話になるのでしょうか。狼森エイジや、トナカイの過去も気になります。

 

ギンとイタルが決裂した理由は何か

麒麟塚イタルの導きにより、ギンは大人の虐待に耐えて犠牲になるだけの子供から、大人に復讐をする燃えるキリンとしての道を歩み始めました。しかしギンを導いた当のイタルは、現在では羽熊塚イタルと名前を変え、燃えるキリンからは「反逆者」と呼ばれています。

一体二人の間に何があったのでしょうか。

 

イタルは誰からも愛されたことがない少年でした。

しかし彼にはその由来は不明ですが、空を飛ぶなどの特殊能力や虐待されている子供の気持ちを理解できる力がありました。

彼は世界中の虐待されている子供達に、「大人の暴力に対抗して戦う」ように導き、その道を選んだ子供には戦うための道具としての燃えるキリンの血を与え、選ばず死んでいった子供には、「愛」の言葉で送りだしていたのです。

ギンが燃えるキリンを設立した後も、彼は同じことを続けていたと考えられます。

そんな彼が、燃えるキリンのアジトを抜け出したのは、ヒツジと愛を誓ってカケオチをしたためです。

 

ヒツジとの出会い

ヒツジと彼が出逢ったとき、彼は地下室で子供達を送り続けていました。

そこは大人に虐待されて死亡した子供が来る空間でしたが、そこになぜかまだ生きているヒツジが迷い込んできたのです。

なぜヒツジがここに来れたかは不明ですが、彼女が昔作ったヌイグルミが二人を結びつけたのかもしれません。

ヒツジはイタルを熊のヌイグルミと同一視してましたし、小説版ではぬいぐるみは彼女の唯一の友達でもありました。

 

「誰も僕を知らない。誰も僕を愛しようがない。」

ヒツジとの会話で彼はこのようなセリフを残していました。

回想編においても、彼の存在は同級生たちの記憶からたびたび抜け落ちていきました。このことから考えると彼は人間ではなく、時間の経過とともに人々から忘れられていく一種の精霊のような存在だったのかもしれません。

 

絶望の世界の涯。運命の出会い。彼は言った。君は生きている?

↑は小説版でイタルとヒツジが出逢った回のキャッチコピーです。

 

本来は出会うはずのない二人。

絶望の世界の涯で巡りあい、互いに愛を誓い逃避行へ。

ヒツジとの出会ったことで、イタルは燃えるキリンの「反逆者」となり、カケオチのたびに出ます。

なぜ、イタルとヒツジは反逆者となってで逃亡生活をしなくてはならないのでしょうか?

それは、燃えるキリンがヒツジを追いかけている理由でもあります。

 

燃えるキリンがヒツジを追う理由

ギン「卵を孵化させるには親鳥が必要だろ?

   彼女はパンドラの箱の・・・いわば卵だ。

   世界を憎む悪意を受精している。

   われわれ(燃えるキリン)はそれを利用したい。」(1巻P79)

 

燃えるキリンは、あるプロジェクトを実行していて、そのためにヒツジと世羅晶午を確保しておく必要があるようです。

そしてヒツジは世羅晶午に何らかの犠牲を強いられていてたようです。

イタルと初めて出逢ったとき、彼女は全身を包帯で巻かれた姿でした。

その原因は、小説版では晶午の薬の実験の被験者となっていたためです。

漫画ではそこまで明言されていませんが、ヒツジが「私は殺され続ける(1巻P67)」と語っていたり、イタルが晶午に「あなたは『お父さん』なんかじゃ・・・『父親』なんかじゃない。ケモノだ(2巻P70)。」と語っているのを見るとやはり、父親から何らかの犠牲を強いられているのだと考えられます。

 

以上から考えると、おそらくイタルはヒツジを守るために、燃えるキリンに反逆してカケオチしたのだと考えられます。

 

今後の展開予想

来月以降、元の時間に戻った場合の話の展開を考えてみましょう。

ヒツジとイタルは現在アイズバインの工場跡の塔から、人のいない浜辺に避難しています。イタルは傷だらけですが、おそらくヒツジの裁縫の腕により修復されることでしょう。

一方の燃えるキリンとギンは、反逆者トナカイを処刑したところです。今後はヒツジの捕獲作戦に動くのか、それとも大人との戦いを続行するのかが気になるところです。

個人的にはもう少し過去の回想回を続けて、燃えるキリン設立の話が読みたい気もしますが、そろそろヒツジとイタルの話も読みたいところでもあります。

 

来月号の展開が楽しみです。