「少女革命ウテナAN上映会カシラ」レポ2
前回の続きです。
詳細なレポがニュースサイトにアップされたので、こちらではファンの立場からの感想を中心に書いていこうと思います。当日のトーク内容等については下記のサイトを参照してください。
川上とも子は誰よりも少女革命ウテナだ。今も輝いている「少女革命ウテナ テアトルAN上映会カシラ」レポ
http://www.excite.co.jp/News/reviewmov/20121210/E1355085933715.html
「何もかも違和感だらけの作品だった」幾原邦彦監督が語る、『ウテナ」と故・川上とも子の追憶
http://www.cyzo.com/2012/12/post_12095.html
【上映第1部】
第1話「薔薇の花嫁」
第2話「誰がために薔薇は微笑む」
第7話「見果てぬ樹璃」
第9話「永遠があるという城」
スクリーンに第1話のOP「輪舞-revolution」が映ると場内から拍手が起きました。
美しく鮮明な画面、臨場感たっぷりの音響。
これまで見ることのできなかったTV版ウテナの真の姿を見た気がします。
劇場版ウテナは今年爆音映画祭で観ることができたのですが、TVシリーズを映画館で目にできるとは思ってませんでした。
思えば15年前の放送当時は実家の21インチのブラウン管で見ていたのです。
S-VHSのビデオデッキで録画していたのですが、あまりテープを買うお金もあまりなかったので、標準で録るか3倍モードで我慢するかを葛藤していた日々。
そこからLD(レーザーディスク)DVD、リマスターDVDと進化し続けて今回のBD劇場上映まで来ました。
技術の進歩に合わせてより美しくブラッシュアップされた姿で、ウテナを見ることができるのは、この作品が多くの人に愛されていることの証拠にほかなりません。
支持する人が多い作品だからこそこういうことができるのだと思います。
自分の場合、放送当時ウテナ話のできる友達はそんなに多くはありませんでした。
アニメファンの友人にウテナを見せても、シュールな表現や世界観は評価されるものの、ファンになるまでには至らず、仕方なくインターネットで情報を漁る毎日。
しかしそのインターネットも、今のツイッター等とは違い、当時は解釈や考察を議論をする掲示板やファンサイトが中心だったため、感情の共有というところは難しかったのです。
それが、こうして大勢の熱いファンの人たちと一緒に鑑賞できる日が来るとは。
ギャグシーンで起こる笑い声や、あちこちから漏れ聞こえてくる感想の声は、まぎれもなく熱いファンのそれであり、同じ場所にいられることがとても嬉しかったです。
そしていよいよ決闘シーン。
大音量で「絶対運命黙示録」がかかり、ズシリと響く重低音。
そして響き渡る鐘の音。
TV版の画面とは思えない迫力。
ウテナの醍醐味である、映像的快楽をたっぷりと堪能できました。
【プレゼント抽選会】
第1部の上映が終ったあとに、プレゼント抽選会となりました。
再び池Pと幾原監督が登壇。
幾原監督は16ミリフィルムをこのサイズに拡大して大丈夫かと心配だったそうですが、思ったより画面が綺麗だったので安心したそうです。
プレゼントの内容は下記のとおり。
いずれも幾原監督の押入れから発掘された昔のウテナグッズです。
袋に何個かずつ入れられて10名の方にプレゼントされました。
・チュチュの風船(劇場版チケット購入特典だったもの)
・サターン版オマケ資料集
・1997年賀状(放映開始前に今年これを放映しますという風に使われたそうです)
・キーチェーン・フィギュア
・メモパット(エンゲージする者、決闘広場で待つ)
・樹璃のペンダント
・鳳学園生徒手帳
・薔薇の刻印
・薫幹のノート
・キャラクターぬいぐるみ
などなど。
入場時にもぎられた半券をBOXの中にいれ、幾原監督が引いて池Pが読み上げる形式で行われました。
抽選会後のトーク要旨
・黒薔薇編は今回少ないけれどまたの機会があればぜひ。
・黒薔薇編ごっこしてみたい。「キングレコード池田です。」「それでは初めてください。」「絵コンテが上がらないんです。」みたいな(幾原監督)
・第3部は暁生が大活躍して車の音が迫力ある。暁生の車の上での掛け声「トゥ」についてはさいとう先生が「変態なんだ」と当時衝撃を受けていた。
・七実セレクションなど別の話数でまた上映会をやってみたい
・ウテナのドールをいま作ってもらっている
その後休憩を挟み第2部が上映されました。
【上映第2部】
第12話「たぶん友情のために」
第14話「黒薔薇の少年たち」
第23話「デュエリストの条件」
息を付く間もない怒涛の展開。
どの回も素晴らしく、手に汗を握りながら見てました。
もちろん、欲を言えば御影をもっと見たかったし、23話「条件」は22話「記念館」と続けて観たかったです。しかし生徒会編のクライマックスの12話、黒薔薇編の最初と最後というチョイスは、物語の流れを追う重要回であり、絶妙だったと思います。
「若葉繁れる」「空より淡き瑠璃色の」「夜を走る王子」など素晴らしい回はぜひ次の上映イベントでかかることを期待してます。
第2部が終わり、小休憩をはさんで第3部が始まりました。
【上映第3部】
第25話「ふたりの永遠黙示録」
第34話「薔薇の刻印」
第38話「世界の果て」
第39話「いつか一緒に輝いて」
幼少期に棺の中にいたウテナは、姫宮を助けたくて外に出て歩き始めました。
あなたと出会えたことの奇跡。
その人の危機において真っ直ぐに手を伸ばすこと。
偶然とは思えないような出会いの瞬間と別れ。
15年の時を経て自分の内面も時代の空気も大きく変わったにも関わらず、この作品で描かれているものは、輝きを失っていません。
上映終了後
全ての上映が終わり、ビーパパスから視聴者へのメッセージが表示されると、盛大な拍手が起こりました。涙ぐんでいる人も多かったように思います。
場内が明るくなり帰りの支度をしていると、川上とも子さんのお母様(私たちのちょうど前の席に座っていらっしゃいました)が私たちの方に振り返り、お声をかけていただきました。私もお礼の言葉をのべ、ウテナはこれからも胸の中にあり、ずっと大事な作品であることをお伝えしました。
川上さんのお母様はその後も、ロビーでファンの方ひとりひとりと手を握ってお礼の言葉を伝えてらっしゃいました。
忘れられない出来事となりました。
感想
ウテナのTVシリーズが劇場で初上映されることは、大きな事件でした。
二ケ月前にBDの発売とオールナイトイベントが発表されて以来、この日を待ち続けていました。
昨年のピングドラムオールナイトではチケットが取れなかったため、今回もチケットが取れないのではないかと不安がよぎり、落ち着かない日々をすごしていました。
結果として幸運にも入手して参加することができたわけですが、ツイッターでは遠方に在住の方や、入手できなかった方たちの嘆きを目にすることが多く、ファンとしてその気持ちが痛いほど分かるため、いたたまれない気持ちになりました。
是非、上映会第2弾を企画していただければと思います。
幸いにも春にかけてつづけてイベントがあるとのことなので、ファンとしては嬉しい限りです。
このブログでもイベントに参加したら、記録を残していこうと思います。
とりあえずこの日はウテナ人気が健在であることを確認した夜でした。