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幾原邦彦作品等について語るブログ

ウテナAN第2弾「少女革命ウテナAN黙示録」

テアトル新宿で開催された、ウテナAN第2弾に行って来ました。

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Blu-ray BOX発売記念 少女革命ウテナ テアトル&シネ・リーブルAN黙示録

2013年1月19日(土) テアトル新宿 23:30会場 24:00開演

 

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近日発売のBD上巻が展示されてました。

御影草時と千唾馬宮!!美しい!!

 

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オリジナルドリンク「薔薇の刻印」が販売されていました。

前回のANのときとは別の物だということです。

 

■トーク

今回も前回同様に池田プロデューサーと幾原監督が登壇してトークがありました。

印象に残っている部分を書いてみます。

  

■幾原監督のお話しの要旨

・自分が15才位のころは、5年前の作品でも昔の作品という感覚があった。この作品は15年前の作品であり長い時間がたっている。本放送終了後にこの作品を知った人たちが、どのようにウテナを見たのかに興味がある。

・昔を知る視聴者は、少女アニメの古典作品(ベルばら等)が先にあってその後にウテナ来た流れがあり、両者の間には距離があることを知ってるが、最近の若い人には並列にみえるのではないか。

・最初はベルばらみたいだと思って、レンタルで借りて見た人もいたのではないか。海外の人がベルばらだと思って見たら全然違くてビックリしたという話をよく聞く。

・(ウテナの企画のはじまりについて)某作品のディレクターを担当して3年位経った頃、劇場版をつくる話があって、それは白いペガサスと黒いペガサスが宇宙空間でロデオをして「宇宙の果てで眠らされているお姫様を助けにいく王子様」の話だった。紆余曲折がありその企画はなくなったものの、そのモチーフが頭に残っていて、さいとう先生の絵と出会ったときに、その王子様とお姫様の話をもう一度やってみたいと思った。それがウテナの原型になったのだと思う。

・さいとう先生の絵は高橋真琴の流れをくむような正統派少女漫画の絵でありながら、退廃的な世界ですごく好きだった。その世界観をベースにさらに裏返すような話を作りたくなった。

ウテナの個々のエピソードやキャラクターはさいとう先生の漫画にインスパイアされてる部分が非常に多い。原作はさいとう先生と言ってもいいくらい、兄妹の話やライバルとの確執などに影響を受けている。

・当時は今と比べてアニメの作品数は少なく、テレ東18時半の枠をもらえたのは幸運だった。

・当時はネットはまだそんなに普及して無かったので、視聴者の反響をみることはあまりなかった。もしあればおそらく見たと思う。

 

■告知コーナー

ウテナBDの上巻と復刻CD-BOXの紹介。CDの再プレスは今では紙が日本になかったり、CDのケースに印刷するのに時間がかかったりと大変だった。

ウテナBDの下巻には、現在入手困難となっている「アート・オブ・ウテナ」を再編集した「アート・オブ・ウテナ・カシラ」なる100ページのブックレットが追加して付属する予定。インタビューはカットしているもののイラストは収録される。

アニメイトでセル画・絵コンテ(幾原監督が本当に使っていたもの)などが展示される。

アニメイトで予約すると複製セル画の特典がある。これは端の数字などもリアルに再現。

・グッズ「薔薇の刻印」などが復刻する。

3月20日からのウテナ展覧会では、なにか新しい発表があるかも…!?

 

■プレゼントコーナー

今回も幾原監督の自宅から発掘したもの

・天上ウテナガレージキット(自分で組み立てるもの)

・ポストカード

・ジグゾーパズル

・パスケース

・テレホンカード

薔薇の刻印純銀製)

ビデオシール(各話タイトルが記載されたもの。録画したテープに貼る。)

・食玩

・ゲーム「いつか革命される物語」のブックレット

・キーチェーン

・薫幹のノート

 

■黙示録セレクションの感想

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20話29話など劇場で見たいと思っていた回が選ばれて嬉しかったです。

18話の大画面で活躍する石蕗にも心を打たれました。
全体的に七実率が高いですが、前回とのバランスを考えるとちょうどよいと思います。梢はTV版の登場がなかったですね。

 

ちなみに七実のギャグ回は「カレー」でなく「カウベル」は劇場ウテでの牛の七実との繋がりを意識してチョイスされたそうです。

 

劇ウテは、小林七郎を見たあとだったので背景に注目して見ていました。

元は小さな紙のキャンバスに描かれた絵。

それが巨大スクリーンに投影されると、魔術的な空間となり見る者を圧倒します。

からくりのように不条理に移動する構築物。舞台装置が登場人物よりも目立つ不思議な異空間。王子を追って鳳学園に来たウテナ、存在しなかった王子様、お城からの脱出という話の流れを考えると、オープニングの黒板の移動シーンは、学園という舞台装置(王子様という幻影)の虚構性を暗示しているようだと思いました。

ちなみに鳳学園の建物等は万博の頃の現代建築を意識してデザインされたといいます。
 

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■上映会終了後
劇場でご一緒した方々とウテナについてアフタートークをしてきました。初めて聴くお話が多く大変勉強になりました。
とても楽しいひと時でした。
 
ウテナのイベントはまた続きますが、まずはBD発売が楽しみですね。