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幾原邦彦作品等について語るブログ

少女革命ウテナBlu-rayBOX上巻

爆音映画際での幾原監督の謎のコメントから半年。

少女革命ウテナBlu-ray上巻が発売になりました。

まだ映像は見れてないのですが、ファーストインプレッションです。

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外箱は大人なデザインです。
渋めの本棚にさりげなく置かれていても違和感ない感じで、オールドファンに対するさりげない気遣いを感じます。
インナージャケットはさいとうちほ先生の華やかな世界
各々が綺麗ですが4枚が並ぶとまた味わいがあります。
 
自分はDVD-BOXを持っていなかったので、今回が初めて手に取りましたが、100ページのブックレットも充実してます。
監督のインタビューや、各話解説など…一気に読んでしまうのがもったいない内容ですね。
 
■消費される若さ(=自分で自分の限界を決めること)
ブックレットで気になったのがP18の監督のインタビューの次の箇所です。
若さが消費物であり、それは自分で自分に限界を決めてしまうこととした上で次のように続きます。
それが作品になると、とても面白いじゃない。男の子の夢と女の子の夢が交じり合う。王子様の夢にずぶずぶと入ってしまうお姫様と、お姫様の夢にずぶずぶと入ってしまう王子さま。それは、男の子の夢に囚われて崩れてってしまう女の子の話だし、女の子の夢に入っていってダメになる男の子の話自分の価値を決めてしまっている人の話(P18)
 
以前からこの作品は男性側のダメな内面もリアルに描いてると思っていました。
時子への未練から時を止めた御影、アンシーの王子様幻想に入り込んでダメなった暁生のように。
人に共通する弱さを描いた上で、最後にウテナがその殻を破るのからこそ、この作品は性別と世代を問わずに今も世界中のファンを魅了する、厚みのある作品なのでしょう。
 
「消費される若さ」とはピングドラムの「かわいいは消費される」に通じる感性ですね。
監督は、自分の若さが大人に利用されることと、若さが失われることに過敏だった青春時代をその後の作品作りに反映させているように思います。
 
お姫様が魔女になり王子様が世界の果てになった原因は、お互いの幻影に囚われて相手の夢に飲み込まれたからであり、その根本には消費される自分という意識(=自分に限界を設けること)があるという流れは、ここで初めてつながった気がします。
 
ブックレットのインタビューがこんなに内容の濃いものだとは知りませんでした。
もっと早く買っておくべきでしたね。 
 
黒薔薇編クライマックスの当初案
これも今回初めて知ったのですが、当初案では黒薔薇編の最後に暁生が電話する相手が御影ではなかったことにも驚きました。
システムから存在自体否定され学園から消えるという、現行の終わり方が超絶好きな者としては、根室の止まった時が再び動き出すという救いのあるストーリーは、何か違う気がしてしまいますが、見てみたかった気がします。
救済された御影と時子の物語。
果たしてそれはどんな物語になったのか。意外と感動ものになりそうな気もします。
 
下巻のインナージャケットに登場するキャラクタの予想
下巻にはどのキャラクタが登場するのでしょうか。
LD/VTのジャケットになったキャラクタで、上巻のジャケットに登場してないのは、香苗・若葉・茎子・石蕗・暁生・瑠果の6人。
これにウテナ・アンシー・樹璃に加えて9人。上巻は11人でしたので、残りは2人です。
 
決闘に参加してないキャラ(ディオス・チュチュ・影絵少女・優子・愛子・時子・穂積茉莉・風見達也・みょうばん先生・田中・鈴木・山田等)も登場してほしいですが、可能性は低い気もします。
 
個人的な願望としては、御影草時・千唾時子という時を超えた幻の2人が見たいところですが…。