【KERA04月号】 世羅ヒツジの隠された能力。彼女が追われる理由。
KERA2013年04月号が発売になりました。
ノケモノと花嫁の感想を書きます。
- 出版社/メーカー: インデックス・コミュニケーションズ
- 発売日: 2013/02/16
- メディア: 雑誌
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謎解きという意味で、今回は大事な回だったと思います。
まず徳大寺が世羅の首を絞めたシーン( 2巻P120 )の続きが明らかになりました。
そしてヒツジの隠された能力と、燃えるキリンが彼女を追いかけられる理由が判明したように思います。
以下ネタバレ&妄想を大量に含みます。
■徳大寺警部のこれまでの登場シーン
徳大寺は「世羅ヒツジ」を追う公安警察の警部です。
世羅晶午の逮捕も狙っていましたが、アイズバインの廃工場の捕物劇で、ヒツジには逃げられてしまい、銃撃戦の末に世羅を確保しました。
現在徳大寺は事情を訊くために入院中の世羅のもとを訪れています。
過去から因縁の深い二人。
ギンの過去編が途中にはさんで、二人の会話シーンは今も続いています。
■世羅と徳大寺の因縁
世羅と徳大寺は、同じ学舎で青春時代を過ごした友達同士でした (1巻P142)。
そして世良は真珠という美しい女性と結婚し、二人の間に生まれたのがヒツジだったようです。
家族は数年間は幸せだったように思います(2巻P159のヒツジと母の描写等から)。しかしある日ヒツジの母である真珠が、何者かにより首を絞められて殺害されます。この光景は幼いヒツジも目撃していたようです(2巻P29)。
そして徳大寺と世羅が修羅場になります。徳大寺は現在「真珠を殺した犯人は世羅だ」と考えています。彼は真珠に片思いしていたのではないでしょうか。そのため真珠が殺害されたことに逆上して、世羅を絞殺しようとしたように思います。しかし首を絞められた世羅がニヤリと笑みを浮かべたことで、殺害を思いとどまります(2巻P121)。
このあと、数年間二人は会っていなかったようです。世羅の逮捕後に、病院で再会した時の会話は次のようなものです。
世羅「老けたな徳大寺。―というより俺が…」
徳大寺「生きていたのか?…いや生きているのか?お前は…」
世羅「愚問だな。俺を殺したのはお前じゃないか。」
徳大寺「…」
世羅「ふ、あっはっは。うそうそ。そうだなお前が殺したんじゃないな。でも俺はあのときお前に殺してもらいたかったよ。」
( 2巻P112-122 )
「老けたな」というセリフからは再会は2~3年ぶりという短期ではなく、数年以上の期間が経っているニュアンスを感じさせます。そして徳大寺は世羅が死んだものと認識しており、「俺を殺したのはお前」と言われ動揺します。
「お前が殺したのではない」ということの意味。徳大寺ではないが、誰かに殺されたという意味でしょうか。その謎の一部が今月号で明らかになりました。
■今月号で明らかになったこと
やはり世羅はすでに死んでいるようです。
徳大寺が首を締める手を緩めた、一瞬のスキに窓から飛び降りたようです。(ハッキリとは世羅とは描いてないもののおそらくそうでしょう)
つまり世羅は死者でありながら実体をもつ吸血鬼やゾンビのような何かなのでしょう。燃えるキリンの幹部や羽熊塚イタルも黒いドロドロを持ち、不死身となりました。彼らと同じ存在なのだと思います。
徳大寺「―どれだけお前が社会を憎もうと、世界を呪おうと、もうお前には何もできない。お前は死んだんだ世羅晶午。もうこれ以上あの子を苦しませるな…!」
世羅「…相変わらずとんちんかんだな君は。徳大寺。相変わらず君は何も分かっていない。私はまた生まれるんだよ。分かるだろう?それこそが あんなにもあの子を愛おしく想う理由だったんだ。あの子は私の…」
徳大寺「やめろ。やめろ…もうやめてくれ。俺は…信じたくなかった。信じたくなかったよ お前が…お前がそんな…狂ってるよ…お前は狂ってる…!!信じたくなかった。」
世羅「言いたいことはそれだけか。人の幸いとは何か?」
徳大寺「…え?」
世羅「人の幸いとは何か?そう言いながら死んだ男がいたよ。人の幸せとは何か。私にはようやく分かったんだよ。あの子に出会ってそれは。愛し愛されていきることだ。」
( KERA2013年4月号 )
世羅の言う「私はまた生まれる」とはどういう意味なのでしょう。
そして「あの子」とは。
■世羅ヒツジの隠された能力
「あの子」とは恐らく、世羅ヒツジなのだと思います。
兎河ギン「卵を孵化させるには親鳥が必要だろう?
彼女(世羅ヒツジ)はパンドラの箱の…いわば卵だ。
世界を憎む悪意を受精している。
われわれ(燃えるキリン)はそれを利用したい。」( 1巻P79 )
世羅ヒツジには、黒いドロドロの者達をもう一度誕生させる能力があるようです。燃えるキリンが彼女を追いかける理由もそれであり、燃えるキリンがオトナの晶午を仲間にしているのは、彼がその秘密を知るからのようです。
第1話から長く謎だった「世羅ヒツジが追われる理由」の一部が明らかになりました。
今回は「人の幸い」という重要なキーワードも登場しました。
これについてはまた考えたいと思います。