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幾原邦彦作品等について語るブログ

【万有引力】 羅針盤式気球船 【30周年記念イヴェント第1弾】

万有引力の30周年記念イヴェント第1弾「羅針盤式気球船」に行って来ました。

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演劇実験室◎万有引力30周年記念スペシャルイヴェント

第1弾 パノラマジオラマテアトラマ章劇

羅針盤式気球船 

―演劇実験室◎万有引力のイメージ・カルマな錬劇術史―

5月27日(月)◎開場・開演19:00

総合監修・音楽◎J・A・シーザー 映像監修・演出◎髙田恵篤 小林桂

出演◎万有引力俳優陣 他

 

演劇実験室◎万有引力は、演劇実験室◎天井桟敷寺山修司主宰。1967~1983年)の衣鉢を継ぐべく(劇団名こそ継げなかったが、時間的継続、すなわち演劇実験室◎天井桟敷が1983年7月31日の24時に解散するや、翌8月1日午前零時に《時》の継続劇団として)結成された。同年10月の池袋文芸坐ル・ピリエでの旗揚げ公演以後現在に至るまでの錬劇術史を、上演ビデオ、シーンの再現、劇中合唱曲等で構成。トークショーもあり、J・A・シーザー、髙田恵篤らが演劇実験室◎万有引力秘話を語る! 

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ステージに設けられたスクリーンに、万有引力30年のVTRを上映し、トークと合唱で振り返るという豪華企画。VTRは見どころ満載で、コレを観ればこれまでの万有引力の歩みが一気にわかる素晴らしいものでした。

トークは髙田さんが進行役になり、シーザーさんと俳優陣がコメントする形式。結成時からのメンバーはシーザーさんと髙田さんだけとのことですが、それぞれの俳優さん方が、初出演の思い出のVTR等に合わせてエピソードを語っていただけました。

初めて観る映像ばかりだったのですが、髙田さんの解説とキャプションで30年の歴史がよく分かりました。映像は全てエネルギーに溢れており圧倒されました。

「ホームビデオで撮ったものなので画像は荒いものですが……」と髙田さんは仰っていましたが、過去のTV放映(11PMなど)や過去の公演はなかなか見れないので、見れて良かったです。願わくば書籍やDVDのような形で手元に欲しいと思いました。

大スクリーンに映し出された公演映像は大迫力で、まるで本当の舞台を見てるようでした。

印象に残った公演映像

どれも凄かったのですが、特に印象に残ったのが「虹翔伝説」。インドのラーマヤナを原作にしたというロックケチャオペラ。大人数で座禅を組んで集団で行うケチャと、情念溢れるシーザー節にカッコよくてシビレました。「草迷宮」も映画とは一味ちがう狂気に溢れていて素晴らしかったです。

SUNA」は幾度も再演されているだけあって、雰囲気が少しずつ違うように思いました。特にブラジルで昼から夜まで行ったという市街劇は、先日観た舞台とは印象が異なりました。

ウテナファンとしては、やはり1992年の「アウトマトスの方舟」以降の作品が気になりました。ウテナの決闘曲にはこの公演以降の楽曲が使われていると言われているためです。『スピラ・ミラビリス劇場』が使用されている「電球式アンモナイト(1994年)」 、『絶対運命黙示録』の「カスパー・ハウザー(1995年)」。「若葉繁れる」で流れる『幻燈蝶蛾十六世紀』の「ハムレット(1994年)」。実際の舞台映像を観たいと長く思っていたので満足です。俳優のみなさんによる合唱もありました!「ハムレット」では物語の本筋とは無関係に剣道の試合が行われているようなシーンもあり、まるでウテナの生徒会室で野球が行われているようなシュールさを感じました。「未来のイヴ(1999年)」もかっこ良かったです。

2003年までを振り返ったところで、出演者の皆様は退席。最近の映像は綺麗に残っているので、それを観てくださいとの趣旨だったようです。たしかに「怪人フー・マンチュー(2012年)」も鮮明でした。

特報

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VTRの最後に流れた特報によると、以後の公演予定として、「リア王」を来年5月に、そしてついに「身毒丸」を2014-2015年にやるとのことです!コレにはテンションが上がりました。

7月には「邪宗門」があり、来年2月には「観客席」があります。

どれも待ちきれないくらいに楽しみです。