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幾原邦彦作品等について語るブログ

【万有引力】 架空庭園の犯罪《交声詩劇篇》 【30周年記念イヴェント第2弾】

万有引力の30周年記念イヴェント第2弾「架空庭園の犯罪《交声詩劇篇》」に行って来ました。

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演劇実験室◎万有引力30周年記念スペシャルイヴェント

第2弾 蜃気楼映画館映像劇

架空庭園の犯罪《交声詩劇篇》

―闇の庭園俳優・ガーディナーたちの映像遊撃一夜―

5月28日(火)◎開場・開演19:00

総合監修◎J・A・シーザー 映像◎J・A・シーザー 根本豊 髙田恵篤

演出◎髙田恵篤 音楽◎J・A・シーザー

天井桟敷万有引力の海外公演中の少ない時間にカメラを持ち出し、即興気ままに撮影された台本無き、目的無しの映像ワークショップの映像を、俳優弁士(肉体弁士・演劇弁士)の試みとして構成した映像作品劇シリーズ第3弾!映像には往年の天井桟敷俳優新高恵子、サルバドール・タリ、若松武史なども出演している。さて「架空庭園の犯罪」の初演の台本には「観客との共同幻想の試み―まずはヘーゲル・シュトラウス・グノーシス一族の時間を歪めることから!」とあったが、今回はいかなる映像遊戯的犯罪が!

 

映像にあわせて、俳優陣がパフォーマンスと詩劇の朗読を行い、AsianCrackBANDが演奏する豪華なイヴェントでした!(おまけに観客へのワインサービスまで!)

第1弾はトークショーだったため、落ち着いて映像をみる場面が多めでしたが、今日は肉体弁士と演劇弁士による詩劇ということもあり、暗黒の場内のあちこちで何かが起きるような、万有引力の公演のような異空間でした。

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第一部 天井桟敷篇(オランダ・イギリス・イラン)

第一部は天井桟敷篇。

海外公演にいくたびに、空いている時間に町で撮影したという8ミリ作品群。

かつてTVの放送で、サイレント映画に弁士が台詞を重ねた番組を見たことがありますが、そのような雰囲気でした。サイレント時代のフィルムのように人物の動きがチャカチャカと早回しのように動くシーンもあり、まるでサイレント時代の作品を観ているような気分になります。

西洋の風景に白塗りの俳優さんたちが組み合わさると、不思議な魅力が生まれるのですね。フィルムの質感にはデジタルのカメラにはない幻想的な味わいがあります。

印象に残ったのは新高恵子さんが出てた作品。西洋屋敷の女主人と西洋人の男。新高さんは圧倒的な存在感があります。

サルバドール・タリさんが主演の作品も良かったです。イランを舞台にしたアラビアの歌留多も見ごたえがありました。

万有引力の弁士のみなさんは、黒のスーツに黒の帽子、メイドエプロンと口髭という謎の格好。スクリーンの中の俳優陣と同じ姿でした。

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第二部 万有引力篇(エジンバラ・ストラトフォード)

休憩を挟んで第二部は万有引力篇。昨日と同様に第二部では俳優陣の皆さんは登場せず、映像にあわせてAsianCrackBANDによる爆音演奏がありました。

印象に残ってるのは「レッド・フランケンシュタイン」。鳥の生体実験を行う謎の博士が良かったです。映像に合わせて当てられる演奏も面白かったです。「TUBE鏡の引力」の高田恵篤さんのパフォーマンスも大迫力でした。SUNAに出てきた郵便配達人や、謎の自転車等のオブジェも登場してました。

この二夜の特別イヴェントで、「演劇実験室◎天井桟敷」から続く「演劇実験室◎万有引力」という劇団の魅力がよくわかりました。30周年という節目の年にこのイヴェントが見れて良かったです。

今後の公演も楽しみです。