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幾原邦彦作品等について語るブログ

(KERA10月号) ノケモノと花嫁の衝撃展開と今後について考える

ノケモノと花嫁のネタバレ満載です。

今月号のKERAを未読の方は注意してください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ネタバレ注意)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まさかまさかの展開でした。

 

心臓が凍りつく、恐るべき惨劇。

 

無抵抗の者に対するに慈悲なき暴力。

まさかないだろうと思っていた領域へとわずか数ページにして持って行かれてしまいました。

トナカイの処刑が比較的あっさりしたものだったのに対して、今回の話はあまりにもエグく、心理的に深い傷跡をえぐられるような傷みが残ります。

 

あまり考察にはそぐわない回かもしれません。

しかし、物語の謎を解く上では大きな進行がありました。

 

お話を整理してみましょう。

 

ギンが姿を見せなくなって一ヶ月が経過した。

心配した有栖川は新人メイドを装いギンの屋敷に潜入する。

そこで彼女の見たものは殺害されたメイドと、手足を切断されたギンの姿だった。

驚く有栖川の背後からギンの母親が忍び寄り、ギンに向かって斧を振り下ろす。

「東京都S区で母親が息子の両腕両足を切断して殺害」とニュースが流れる。

 

果たしてギンは母親に殺害されてしまったのでしょうか?

ハッキリと「殺害」と報道されている以上、生身の人間としてのギンの生命は奪われてしまったのかもしれません。

それでは時系列としては将来にあたる1~2巻のギンは幽霊のようなものだったのでしょうか。

 

斧が振り下ろされた瞬間のコマには、ギンの背中に羽が出現しています。

この羽はおそらく麒麟塚イタルや燃えるキリン幹部の羽と同じでしょう。

イタルと幹部は体をもたない黒いドロドロ(燃えるキリンの血)がその実体でした。

そして燃えるキリンの血となったものは、銃で撃っても体を切り刻んでも決して死ぬことはなく、「業火」で焼かれるまで存在し続けるのです。

 

もしかしたらギンも、この黒いドロドロとなったのかもしれません。

 

斧が振り下ろされるまえ、麒麟塚イタルはギンに話しかけます。

「賢い君ならわかっているはずだよ。次の世代が生まれたら先の世代は必要ない。オトナはコドモに殺されるべきなんだ。殺されまいとしてオトナはコドモを殺すだろう。我々は殺されるために生まれてきたんじゃない。コドモはオトナを殺すべきなんだ。殺される前に殺すんだ。」

 

イタルの説く「コドモはオトナを殺すべき」との主張は、「燃えるキリン」の主張そのものです。

そしてこのセリフを聞いた直後に、ギンに羽が出現します。

ギンの中で何かが覚醒して、彼はイタルから「オトナ殺し」の思想やキリンの血を継承したのかもしれません。

 

 

次号以降の展開

 まず母親はどうなったのでしょう。

1~2巻の世界には母親は存在しないようですので、彼女の動向が気になります。

 

次に有栖川です。

ベッドに寝てるギンに覆いかぶさるように彼女はいました。

母親の斧が振りかざされたことにより、彼女が無傷だったとは考えにくいです。

 

物語の予想としては次回は場面が変わるように思います。

母親の犯行が表沙汰になったので、警察の登場があるかもしれません。

もしかすると若き日の徳大寺警部が登場するかもしれませんね。

 

そういえば徳大寺と世羅晶午の因縁も気になります。

そろそろ再登場を期待しましょう。