【輪るピングドラム】賢治と春樹、ディケンズについて(幾原監督のインタビューより)
「mata-web.com」というフランスのサイトに、幾原監督のJapanExpoSudでのインタビューが掲載されています(フランス語)。
JapanExpoSudとは、フランスのマルセイユで開催される日本文化を紹介する博覧会。2013年は3月1日から3日まで開催され、幾原監督はサイン会とトークセッションを行ったようです。
フランス語の記事であるため、直接読めないのが残念。Chromeの機械翻訳で読んでいたのですが、フランス語から日本語への翻訳はだいぶ精度が低いようです。(フランス語→英語への方が高い模様)
エキサイト翻訳という手もあります。( http://www.excite.co.jp/world/french/ )
※以下推測や誤読を多く含むおそれがあります
話題は「ウテナ」や「シェルブリット」、女性作家とコラボについて等、多岐に渡るのですが「輪るピングドラム」に関する下記の部分が気になりました。
村上春樹と宮沢賢治
まず村上春樹の『アンダーグラウンド』が引用されている意味について。幾原監督は「あれは冗談だよ」とした上で、「村上作品が好きだから」と答えています。
さらに『銀河鉄道の夜』は賢治が亡くなった妹に向けて書いたことと、愛と個人的な犠牲についての物語で、監督は多くのインスパイアを受けたことが語られています。
どうやら監督は賢治と村上作品との間に近いものを見出しているようです。
このあたりの記述は、Newtypeのインタビューでも、95年の事件と賢治の「空の孔」の関連で少し言及されていました。
「蠍の炎」とディケンズ
続いて監督は、銀河鉄道の夜に登場する「蠍」について、チャールズ・ディケンズとの関連で語っています。
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ディケンズと言えば、『クリスマス・キャロル』でしょうか。強欲な老人スクルージが、クリスマスの晩に自分の人生の誤りに気付く物語。確かに「蠍の炎」との共通するものがありそうです。
その他にも、夏芽マリオの役割についてなども語られています。フランス語の壁がありますが、熱心なイクニファンの方はぜひご覧いただければと思います。
フランスといえば敬虔なカトリックの国。賢治作品や『輪るピングドラム』がどのように受け入れられたのかも気になります。もしかすると監督がディケンズに言及したのは、ヨーロッパのファンに理解しやすいようにとの意識があったのかもしれません。
個人的にはポンピドゥーセンターが丸ノ内線内にあるのを、フランスの人がどう思ったかが気になりました。