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幾原邦彦作品等について語るブログ

クマは世界の始まりであり終わりである

ユリ熊嵐の連載が始まりました。第一話の感想を書きます。

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ついに始まった大型新連載!!!

第一話は20ページのみの掲載。正直もう少し多いページ数でスタートでも良かった気がしますが、まずは無事連載が始まったことが嬉しいですね。

物語的には序の序という感じであり、主人公の立ち位置や対立軸はまだまだわからないですね。

自分は昔のジャンプ黄金時代に育ったので、連載第一話では個性的な脇役や敵役が登場して、超えるべき障害がドーンと提示されて欲しかったりするのですが、それらはこれからのお楽しみにとっておきましょう。

第一話というのは、通常は作品の方向性を示すと思うので、今回の内容を鑑みると、やはりこの作品は百合物という枠組みでとらえていくべきなのかなと思いました。ドラマの軸は、クラスの中で人間関係を構築できない高校一年生の少女・紅羽が、スポーツ万能で人気者の転校生・銀子と仲良くなり、生活に光明が差すというもの。イクニアニメでは定番的な、運命的な一人の生徒の登場によりそれまで冴えなかった主人公の生活が一変するというパターンです。

運命の相手との奇跡の邂逅。「たとえ世界が透明な嵐につつまれても 私はあなたを見つけてみせる」ピュアでありながら限りなくエロスでロマンを感じさせるセリフ。イクニワールドの新作が始まったことを実感します。

夢のシーンも良い感じです。「テロスを変革するのはユリである」「クマは世界の始まりであり終わりである」などの、謎めいたセリフ。後々作品のテーマに関わって来るのでしょう。

そして吹雪の中を襲ってくる獰猛な熊軍団。その上に浮かぶ黒いモヤモヤ。

クマは万物の根源で世界の始まりと終わりであるということですが、血を滴らせて牙をむく姿をみると、世界の始まりに暴力的な何かがあったと示唆しているように思います。そして世界の終り。キナ臭い気配を感じます。

気になったのは、紅羽の性格の部分です。自分を「透明」と言い、生きている理由を疑うほどに思いつめていたり、銀子の正体を人間ではなく宇宙クマと思い込んだりど、昨年観たPVとは性格が変わった気がします。PVでは、猟銃を街中でぶっ放すような激しい性格だったのですが、今の紅羽はおっとりとした天然ボケキャラになっているので、このパーソナリティーの変化をどう捉えるべきなのかがポイントになりそうな気がします。

まだまだ謎が多すぎてまだ「何モノ」の作品ともジャンルの判別がつかないのですが、当面は森島明子先生の可愛らしい絵柄を堪能しながら、じっくりと展開を待ちたいと思います。

願わくば来月はページ数がもう少し増えますように!